ドキコメンタリー番組などで、文章の鞠節に光を当てて注目させる手法。
重要な記述の一部分を注目させる手法としてよく使われる演出です。
自慢するわけじゃないけど、おそらく、これについて言及するのは、世界でもこの本が初めてではないかと思う。
まずは、この手法をよく見かける「NHKスペシャル」のスタッフに尋ねると、「スポット、あるいはスポットを当てるとでもいうんでしょうか。
でも、もっとちゃんとしたいい方があるかもしれません。
秘密文書関係の草分けの人がいますから、その人に聞いてみてください」といわれ、そこで教えられた報道局の川良浩和チーフ・プロデューサーに尋ねると、「通常は接写、文章の接写といってますが、まあ、業界用語でしょうね。
でも、非常に高度な技術を要する仕事なんですよ。
まず、絵心がないとダメ。
ただスポットライトを当てるというのは初歩なんです」そして、「紙を撮らせたら素晴らしくうまいカメラマンがいますので、その人にぜひ聞いてみてください。
この入はとにかく、複雑な照明を当てて、文書の内容を非常にうまく伝える人で、本気で始めると一日一枚しか撮らないってこともめずらしくない人なんです」といわれ、同じくNHKの早川昇カメラマンにお聞きした。
一日一枚ってホントですか?「それはちょっと大げさですけど、五~六時間かけることはよくありますね。
この仕事は、いかに強いインパクトを与えるかが勝負なんですけど、ほんの一ミリ違っただけで、イメージがガラッと変わったりする、非常にむずかしい、苦労する仕事なんですよ」活字の強さとでもいうんでしょうか、あの接写というのは、とてもインパクトが強いですよね。
「そうなんです。撮影済みのビデオテープに、接写の部分を当てはめて見ることがあるんですが、たとえば、その文書に書かれたようなことを語っているインタビューがその前かうしろにあるとすると、接写のインパクトがあまりにも強くて、折角のインタビューがかすんでしまうことがよくあるんですよ」
スポットライトの先についたレンズを使って、丸く、あるいは四角く浮き上がらせるというのが通常のやり方で、一番お手軽な方法らしいが、早川カメラマンはこの方法は使わず、このレンズを取ってしまうという。
「この方法だと、どうしてもそのまわりの文章が読みたくなるんですよ」カメラのアングル、絞りをいろいろ変えるのはもちろんだが、光の加減を調節するために、カメラの前に植物を置いたり、紙の下にガラスを置いて、斜め下から光を当てたり、とにかく照明には気を使うそうだ。
「だから、気心の知れ合った照明の人でないと、この仕事はできません」"照明は明るくするのではなく、影をつくるためのものだということが、最近やっとわかってきた"という早川カメラマン。
いままで、何気なく見てきたが、非常に奥の深い仕事なのです。