小さなポッチ
キーボードについている小さなポッチ。
このポッチ、機種によってはないものもある。
キーボードの配列はJIS規格で決められているが、このポッチについてはとくに規定がないからだ。
最初に尋ねた通産相の担当部署のワープロにもこれがなかったらしく、「何ですか、それ?」といわれてしまった。
このポッチがついている、東芝に聞いてみた。
東芝の場合は「F」と「J」についている(わたしの使用するパソコンのキーボードには「D」と「K」についているが)。
ところが、「いやあ、名前はないと思いますよ」えっ、名前がない?「ええ、とくにないと思います。
説明書にも書いてありませんから」このポッチ、もちろん何の意味もなくついているというわけではない。
ブラインド・タッチ(ディスプレイだけを見て、キーボードを一切見ずにキーボードを叩くこと)などをするときの目印となるものなのだ。
でも、名前がないと生産の段階で困る場合も出てくるのではないか。
「もしもし、いま最終チェックをしてるんだけど、一〇台ばかりあれがついてないのがあるんだけど」「あれってなんですか?」「あれだよ。
ほら、キーボードの上に指を置くと、かすかに感じる突起があるじゃない?あれ」「ああ、あれですね。
そうですか。
いま確認して折り返し電話します」円高が進み、コストを切り詰めていかなくてはならないっていうのに、こんなムダな電話などしている場合ではない。
名前がないと、どうやって伝達するんだろうか。
再び東芝に聞いた。
「われわれは指示の段階ですべて『絵』を使うんですよ。
この場合ですと、キーボード上に突起物を描いて、〃フォームポジションを示すマーカーをつけてくれ"という指示を出すわけです」ということは、あえて名前をつけると"フォームポジションを示すマーカー"ってことになるんでしょうか。
実はこのポッチ、プッシュホンの電話のボタンにもついているのをご存じでした?そう「5」のボタンの上です。
電話の場合はどうなのかと、シャープに尋ねたところ、「目の不自由な方のためにつけているものですけど、とくに名前はないですね」業界関係の方々、名前がないというのは何ともかわいそうなので、何かカワイイ名前をつけてあげてください。